コテを使い、美しい壁を
仕上げる左官。
昔から、土を使った美しい壁が
日本では左官職人によって
仕上げられてきました。
日本の美しい
木造建築の土壁が、
古くから人の手によって
美しく作られて
来たことを想うと、
左官という言葉には
古代から連綿と
受け継がれたものが
あるという、
ロマンを感じます。
たとえば、漆喰を使った壁は
千四百年以上の歴史があります。
千四百年前というと飛鳥時代ですが、
仏教伝来とともに
様々な建築工法も輸入された時代。
そのころに、土壁の上に石灰を塗る
漆喰技術が始まったようです。
今まで単に茶色でざらざらとした
質感だった壁が、白く、
平らになったことで、
建築物はさらに美しくなりました。
質感はつるりとしていて光沢があり、
これが当時の人々の目には最高級かつ
モダンに映ったはずです。
また、建物を強くする側面も、
昔の人々は知っていたはずです。
姫路城が漆喰を全面に塗ることで、
歴史的に火災からの被害を
免れて来たように、
主成分の消石灰に繊維や糊は、
塗ったあとに
二酸化炭素を結合して固まります。
そして、建物の耐久性、
防火性能を高めてきたのです。
千四百年前から、日本各地で
左官は活躍し、
技術は受け継がれてきました。
土壁を塗る技術、漆喰を塗る技術。
天井を塗る技術、そして、コテによって
装飾を行う技術も開発されました。
明治以降はレンガやコンクリートの
モルタル仕上げという技術も手にして、
タイル貼りやコンクリートの基礎工事など、
左官の役割は増えてきました。
一方で、漆喰や珪藻土を使った
伝統工法技術を持つ左官職人が
減りつつあります。
サカン・リスタ・ウォールでは、
伝統工法を持つ左官職人を守り、
若い世代に伝統を
受け継いでもらうことも
一つの目的として、
伝統工法による
壁リフォームの普及を
進めています。