新築6年目のリビングを、自然素材の塗り壁に。打ち合わせから施工、そして仕上がりまでの記録です。
計画と素材選定
新築6年目、リビングの壁を自然素材でリフォームすることにしました。 このWebの撮影で施工中の家を見たのがきっかけで、やってもらうことに。
施工してもらうのは一階リビングの壁。石灰や珪藻土など、自然素材の塗り壁を取り入れることになりました。 18年ほど前にマンションのリノベーションをして、自分たちで壁紙を剥がし、色を塗ったことがあり、今回は壁紙の上から施工できるということで、期待度は高まります。
南面と西面の一部はプロジェクターを使うため、フラットな仕上がりのクリーム色にするつもりです。その他の壁は、落ち着いたグレーにする予定。
まずは担当者の方に現地を見てもらい、打ち合わせを行いました。 カタログを見ながら、素材や塗り方の希望を伝えます。 提案いただいたのは、調湿・消臭に優れた炭入りの珪藻土に加え、接着剤を一切使っていない「シリカライム」という素材。自然素材ならではの質感と機能性に惹かれ、予算内での素材配分をおまかせすることにしました。 施工当日について少し心配していましたが、家具はテーブルの下にまとめるだけでOKとのこと。住んだまま施工してもらえるのも助かります。 また、キッチンカウンター上部も塗ってもらい、空間全体の統一感を出すことになりました。 東面の壁はそのまま階段につながっているため、途中の「回し縁」の手前まで塗ってもらうことに。 塗り方については、カタログを預かってじっくり検討しつつ、施工当日に希望を伝える形でも大丈夫とのこと。プロジェクターを使う壁は、できる限りフラットに仕上げてもらいます。 基本はグレーとホワイトの2色使い。キッチンまわりには、少し濃いグレーをアクセントとして提案いただきました。 施工期間は4〜5日程度。キッチン上部の塗装を含めても、その間は通常通り生活できるとのことです。 壁だけのリフォームで、どこまで空間が変わるのか。仕上がりが今から楽しみです。



初日は雨で湿気が凄い。



9月、雨の多い季節です。施工初日の日も残念ながら大雨。 15畳のリビングに対する施工がスタートします。 朝8時30分から、4人の職人さんの手によって次々と養生され、機材が運び込まれます。 色と塗り方についての打ち合わせを改めて行いました。 希望の塗り方はフィーユ。 フラットな面と、少しざらざらとした面が混ざり合う、ヨーロッパの農村の壁のような塗り方です。
これをメインに、プロジェクターを当てる面はサブレ(ラフ仕上げ)、カウンターキッチンの面もサブレとなりました。
サブレは少しコテのあとを魅せるタイプです。
そして、色は明るい色か暗い色か迷いましたが、カウンターキッチンの色を暗い灰色、他はシリカライムという素材そのものの色に。プロジェクターの部分は別の素材で白くして、天井は木炭の入った素材でやることになりました。
まずは、下地材。これを2回に分けて塗るわけですが、雨の日のためなかなか乾かず、濃い色に見えましたが、この下地材を2日にわたって塗り、週末の間に乾くと明るい灰色に。少し青みの入ったように見える(太陽光のせいかもしれません)明度、色がかなり気に入りました。
さて、3日目からシリカライムの塗り付けが始まりました。
塗った直後の色はやはり濃く、青みはあまりない感じでしたが、翌日になると明るいグレーに。
非常に好みの色に仕上がりました。
4日目は天井とカウンターキッチン
4日目には天井。茶色に見える顔料ですが、量を少なくすることで明るくする予定。こちらはシリカライムではなく、珪藻土の素材で、木炭が入っています。
シリカライムは珪藻土ではなく、石灰です。 しかも、塗りやすくするための樹脂が一切入っていません。 珪藻土と違い、石灰はその素材そのものに固まる性能があるそうです。 なので、少し高級。
南側の壁は白にしようと思ってました。 しかし、3日目の夜に調べてみると、昼間の場合は、少し暗いほうがいいとか。プロジェクターに使うスクリーンって白なのに、暗いほうがいいのか。そうなると、明度の高い白じゃないほうがいいのかもしれない。 というわけで、珪藻土そのままだと白すぎるということになり、グレーの顔料を少しだけ入れることになりました。 シリカライムで他と分けないという方法もあるのですが、顔料の量に限界があるので、塗りながら様子を見ていきます。
カウンターキッチンのテーブル部分も、予定通り合間にやってもらいました。シンプルな白だった面が、あっという間に石のような見た目に。左官によるこういった面の施工は、お店がメインで住宅ではなかなかやらないそうです。
南側の壁はどうするか?
カウンターキッチンの壁は、他より少し濃いグレーにする予定です。 そして、ラフ仕上げに。



素材はシリカライムではなく、けいそうモダンコートという樹脂入り素材。 濃いグレーの色味がどれくらい出るか何度も話し合って、使う量を決めます。
塗った直後は濃い色なので仕上がりの色はわかりません。 すぐに今度は南面の内容を決めなくてはなりません。
この日の最初に、他と同じシリカライムで、プロジェクターに当てる小さい壁を仕上げてもらいました。 プロジェクター用にフラット仕上げで、実際にプロジェクターを当ててみると、画質の向上がはっきりわかります。壁紙とはまったく違う画質。
南側の大きな一面は、これと同じフラットにするか、少し意匠を加えたものにするか。 もし、フラットにする素材を選ぶ場合は、顔料を入れて作り直すので、少し明るい壁面になります。 プロジェクター用には少し暗い色がいいので、悩みます。
カウンターと同じ素材、色で塗ることもできますが、フラットな「けいそうモダンコート内装シルキー」よりはフラット度が落ちます。
南側の大きな一面は、話し合いの末、カウンターと同じ濃いグレーになりました。けいそうモダンコートにして、本来難しいはずのフラットに。
すべてが素晴らしいできで、壁を変えるだけでこんなに部屋はかわるのか、想像以上。
プロジェクターについては興味深い結果が出ました。 まず、フラット面の塗り方については、南側の塗り方が完璧でした。 小さい面のほうは、テカる部分とそうでない部分があり、プロジェクターは光を壁にあたるためです。 自分としては問題ないですが、気になる人は気になるかなと思いました。
一方、南側はそれが一切なく、厚塗りで小さい穴がたくさんあるような塗り方ですが、本当に完璧。
ですが、トレードオフの部分もありました。 昼間のことを考えて濃い色にしましたが、これはたしかに昼間は有効でした。 ですが、白い壁に比べて、常に少し暗くなります。 なので、これは好みになると思います。
つまり、この塗り方で、もう少し明るい色で塗ると、さらにレベルの高いプロジェクターの壁になるのは間違いないです。
ですがとにかく、石灰をメインにしたシリカライムや、珪藻土の壁に直接あてるプロジェクターは最高です。
完成後の暮らし
それから数日。 完全に乾き、生活も始まりました。
昼でも夜でも照明がなぜか美しく輝く、そんな部屋になりました。 部屋を隅々まで片付け、コーヒーを飲む。 最近してなかった、そんな楽しみもできるようになりました。
このまま時間がたって、汚れても味わいが出るような、そんな部屋になった気がします。









